メンタルヘルスマネジメント検定試験は、働く人たちの心の健康管理に取り組み、心の不調を未然に防止できる職場環境を作るために必要な、メンタルヘルスに関する知識の習得を目指すものです。
そんなメンタルヘルスマネジメント検定について、3つのコースごとに試験の難易度や合格率、勉強時間、そして試験内容まで全て解説します。
この記事を読んで、メンタルヘルスマネジメント検定についての正しい知識を身につけましょう!
メンタルヘルスマネジメント検定について
メンタルヘルスマネジメント検定は大阪商工会議所と施行商工会議所の主催により行われている資格試験です。
上述したように、働く人たちの心の不調を未然に防止し活力ある職場を作るうえで、メンタルヘルスに関する必要な知識を習得することを目的に2006年から始まった検定です。
メンタルヘルスマネジメント検定試験には、職位・職種別にⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種の3つのコースが
用意されています。
この3つのコースを中心にメンタルヘルスマネジメント検定についてより詳しく述べていきます。
3つのコースについて(対象・目的・試験内容・難易度)
メンタルヘルスマネジメント検定試験には、Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種の3つのコースが用意されていることは上述した通りです。
そして3つのコース全て受験資格がないため、誰でも受験することが可能です。
この3つのコースについて、コースごとの対象者や目的、試験内容、そして難易度まで解説していきます。
Ⅲ種(セルフケアコース)について
メンタルヘルスマネジメント検定のⅢ種は「セルフケアコース」であり対象となるのは一般社員です。
そのためⅢ種の目的は、企業で働く社員自らがメンタルヘルス対策について理解し推進していくことです。
自らのストレスの状況や状態を把握することで、不調に早期に気付き、自らケアを行いながら、必要であれば助けを求めることができるようになることが求められます。
試験の出題内容は以下の通りです。
- メンタルヘルスケアの意義
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- セルフケアの重要性
- ストレスへの気づき方
- ストレスへの対処、軽減の方法
- 社内外資源の活用
出題形式は選択問題で制限時間は2時間です。
合格基準は100点満点中70点以上の得点とされています。
第9回試験(2010年)から第31回試験(2021年)までのⅢ種の平均合格率は78.67%ですので、3つのコースの中ではもっとも易しい試験です。
初心者の方はⅢ種から受験することがおすすめです。
Ⅱ種(ラインケアコース)について
メンタルヘルスマネジメント検定のⅡ種は「ラインケアコース」であり対象となるのは管理職についている方です。
そのためⅡ種の目的は、部門内において部下のメンタルヘルス対策を推進することです。
部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができるようになることが求められます。
試験の出題内容は以下の通りです。
- メンタルヘルスケアの意義と管理監督者の役割
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- 職場環境等の評価および改善の方法
- 個々の労働者への配慮
- 労働者からの相談への対応 (話の聴き方、情報提供および助言の方法等)
- 社内外資源との連携
- 心の健康問題をもつ復職者への支援の方法
Ⅲ種の出題内容よりも、ボリュームが増えたことがわかると思います。
出題形式は選択問題で制限時間は2時間です。
合格基準は100点満点中70点以上の得点とされています。
第9回試験(2010年)から第31回試験(2021年)までのⅡ種の平均合格率は54.7%であり、Ⅲ種よりは難しい試験といえます。
Ⅱ種以降は独学も難しいと言われていますので、きちんとした対策が必要でしょう。
Ⅰ種(マスターコース)について
メンタルヘルスマネジメント検定のⅠ種は「マスターコース」であり対象となるのは人事労務管理スタッフや経営幹部の方です。
そのためⅠ種の目的は、全社的にメンタルヘルス対策を推進することです。
自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができるようになることが求められます。
試験の出題内容は以下の通りです。
- 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
- メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- 人事労務管理スタッフに求められる能力
- メンタルヘルスケアに関する方針と計画
- 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
- 相談体制の確立
- 教育研修
- 職場環境等の改善
3つのコースの中で最もボリュームがあり時間をかけて勉強を進める必要があります。
出題形式は選択問題(2時間)と論述問題(1時間)です。
配点は選択問題が100点満点、論述問題が50点であり、合格基準は選択問題と論述問題の合計が105点以上、かつ論述問題の得点が25点以上とされています。
第9回試験(2010年)から第31回試験(2021年)までのⅠ種の平均合格率は16.83%であり、3つのコースの中で最も難易度の高い試験です。
Ⅰ種が特に独学では難しいと感じる方が多いため通信講座を受講することがおすすめです。
ユーキャンではⅡ種とⅢ種に対応した講座が用意されており、テキストも非常にわかりやすく添削指導などの学習サポートも充実しているので、効率よく学習を進めることができるでしょう。
ユーキャンのメンタルヘルスマネジメント検定講座については以下の記事を参考にしてください。
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強法
メンタルヘルスマネジメント検定の3つのコースについては上記で詳しく解説しましたので、その勉強法について見ていきましょう。
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強法としては、大きく分けて独学と通信講座の受講の2つがあります。
独学は可能?
メンタルヘルスマネジメント検定の勉強は、公式テキストや過去問題集を使って独学で行うことが可能です。
公式テキストを使って独学をする際の勉強時間は、一般的にⅢ種で20時間前後、Ⅱ種が50時間前後、Ⅰ種は120時間前後と言われています。
試験問題は主に公式テキストから出題されるため、公式テキストをしっかり理解し、市販の過去問題集でアウトプットすることができれば、合格に必要な知識を十分定着させることができるでしょう。
ただし短期間で効率よく学習したい場合は先ほど紹介したユーキャンのメンタルヘルスマネジメント検定講座や、Ⅰ種を重点的に対策したい場合は大阪商工会議所の受験対策講座を受講することをおすすめします。
メンタルヘルスマネジメント検定の取得がおすすめの方
職場でストレスをため込みやすい方
メンタルヘルスマネジメント検定のⅢ種は主に、自身がメンタルヘルス対策についての理解し推進していくことが目的です。
Ⅲ種の内容を学習すれば、自らのストレス状態を把握し自らケアを行うことができるようになるため、ストレスをため込みやすい方におすすめです。
管理職や経営幹部の方
メンタルヘルスマネジメント検定のⅡ種の目的は部下のメンタルヘルス対策を推進すること、Ⅰ種の目的は全社的にメンタルヘルス対策を推進することです。
管理職や経営幹部の方は自身だけでなく、部下や社内全体のメンタルヘルス対策について理解し推進していくことが求められます。
そのため、働きやすい職場環境を作るためにも、管理職や経営幹部の方にメンタルヘルスマネジメント検定はおすすめの資格です。
メンタルヘルスマネジメント検定のまとめ
ここまでメンタルヘルスマネジメント検定について3つのコースを中心に具体的に解説してきました。
ストレス社会と言われている今だからこそ、職場でのメンタルヘルス対策を進めていくうえで、このメンタルヘルスマネジメント検定は必要とされています。
ご自身の職位や職種に合わせて、必要となるコースにぜひチャレンジしてみましょう!