診療情報管理士の仕事内容や試験の難易度について解説します!

この記事では、診療情報管理士の仕事内容や診療情報管理士になるための受験資格や試験内容、難易度について詳しく解説します。

仕事内容-

診療情報管理士は、患者さんの健康に関する情報や診療情報を収集する専門職です。
データ入力や統計データの作成をするので、パソコン業務がほとんどでパソコンスキルや情報処理能力が求められます。
診療情報管理士の業務は大きく3つに分けることができます。1つひとつ丁寧にご紹介します。

カルテの管理

まず一つ目は、カルテの内容を精査しデータベースに登録をします。
カルテは、患者の通院歴、診察や治療の内容がまとめられており、医師が診察するにあたって非常に重要なものです。
カルテの内容を国際疾病分類にしたがって整理し、登録すべき情報を収集し管理するのが診療情報管理士の仕事の1つです。
患者の診療情報を整理しデータベースに登録するなど正確さを要求される仕事なので、高い注意力をもって仕事を出来る方が向いているでしょう。

サマリーや点検報告書作成

サマリーとは、初診での診察結果や入院から退院までの経過や患者の過去の病歴について記録したもので、入退院や転院する際に作成します
点検報告書は、サマリーの作成漏れがないかを確認して作成する資料です。
作成した点検報告書は、月に1度病院の院長に提出します。

ガン患者の情報登録

ガン登録の内容は、ガン患者の情報を経過や状況などを登録マニュアルに沿って内容を登録し、医師に登録内容を確認してもらいます。
登録内容は、氏名、年齢、診断日、ガンの種類、生存確認情報、進行状況などです。
登録が完了した情報は、都道府県単位で管理し、医療政策を立てる際に使われます。
このようにガン登録も診療情報管理士の仕事です。

診療情報管理士になるためには?

診療情報管理士になるために必ず資格を取得する必要はなく、資格を所有していなくても診療情報管理士として働くことはできます。
ただ、診療情報管理士試験を受けるためには受験資格が必要で、以下の条件を満たす必要があります。

  • 一般団体法人日本病院協会指定の大学・専門学校で2年以上の学歴を有する者

ただし、以下の経歴をお持ちの方も受験資格を満たすことができます。

  • 病院での実務経験がある場合は高卒でも可
  • 指定大学以外を卒業した場合、通信教育で受験資格を得る

試験内容

診療情報管理士の試験内容は基礎分野と専門分野の2科目に分けられており、基礎分野、専門分野ともに全12章の中からマークシート形式で出題され、制限時間は1時間の100点満点評価で60点取ると合格することができます。
試験範囲は以下の通りです。

基礎分野 

  • 医療概論
  • 人体構造・機能論
  • 臨床医学総論
  • 臨床医学各論Ⅰ
  • 臨床、医学各論Ⅱ
  • 臨床医学各論Ⅲ
  • 臨床医学各論Ⅳ
  • 臨床医学各論Ⅴ
  • 臨床医学各論Ⅵ
  • 臨床医学各論Ⅶ
  • 臨床医学各論Ⅷ
  • 医学・医療用語

※基礎分野は、以下の指定されている資格を所有する人は免除されます。

(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、はり師、柔道整復師など全20資格)

専門科目

  • 医療管理総論
  • 医療管理各論Ⅰ
  • 医療管理各論Ⅱ
  • 医療管理各論Ⅲ
  • 保健医療情報学
  • 医療統計Ⅰ
  • 医療統計Ⅱ
  • 診療情報管理Ⅰ
  • 診療情報管理Ⅱ
  • 診療情報管理Ⅲ
  • 国際統計分類Ⅰ
  • 国際統計分類Ⅱ

基礎分野、専門分野どちらも試験範囲が非常に広いので、満遍なく勉強する必要があります。

試験の難易度

診療情報管理士試験の合格率は、例年50~60%と受験資格がある試験としては、合格率は低く難易度が高い試験といえます。
受験資格を満たす専門学校を卒業している受験者の合格率は2年間の学習期間があることからも70~90%と全体の合格率と高くなっております。
現状、受験資格がない方や、指定の学校に通うことが難しい方が受験するための一番の近道は、協会によって定められた通信講座を受講することです。
通信講座を受講すると受験資格がない方でも受験資格得ることができます。
また、学習プランも試験日から逆算ししっかりスケジュールを立ててくれるので、効率的に合格を目指すことができます。
医療事務の資格試験は、受験会場へのテキスト持ち込みが許可されている試験も多いですが、
診療情報管理士の試験はテキストの持ち込みは禁止なので、しっかりと知識を身に付けた状態で試験に挑む必要があります。

就職について

情報化が進む現代でパソコンスキルや情報処理能力の高い診療情報管理士の需要は高いです。
就職先は、主には病院なので、福利厚生が整っている環境の中、残業も少ないので、結婚し、子育てとも両立することができます。
また、診療情報管理士は資格を所有していなくても診療情報管理士として働くことも可能ですが、求人募集には、診療情報管理士の資格を所有している方やサマリーや点検報告書の作成をしたことがある方など、資格を所有している方や実務経験がある方が優遇されるケースがほとんどになっています。

年収

診療情報管理士の平均年収は約320万円~360万円です。
ただし、この金額の中には診療情報管理士の資格を保有していない方も多く含まれており、資格を持つ方だけを集計した平均年収の金額ではありません。
実際の求人の中で資格を保有している方(もしくは、2年程度の実務経験を持つ方)を対象としている求人ではおよそ400万円程度の年収額が提示されているので、診療情報管理士は資格を持たずとも働くことができるとはいえ、取得することで得られる効果は非常に大きいといえるでしょう。

まとめ

ここまで、診療情報管理士の仕事内容や試験内容、難易度などについて解説してきましたが、情報化、IT化する世の中でパソコンスキルのある診療情報管理士の将来性は高く、資格を取得している方が就職面、収入面でも有利なことが多い資格です。
試験範囲も広く、難易度も高い試験ですが、通学や通信講座で学習することで、効率的に合格を目指すことができます。
診療情報管理士を目指している方は是非資格取得を目指しましょう。

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