この記事では、診療報酬請求事務能力認定試験について、試験内容や難易度、資格を取得するメリットなどを解説します。
診療報酬請求事務能力認定試験とは?
公益財団法人日本医療保険事務協会が主催する試験です。
診療報酬請求事務能力認定試験は、公的な資格として厚生労働省から認められていました。
すでに公的資格の制度は、撤廃されていますが医療事務に関連する資格の中で唯一の公的資格だったことからもこの試験の信用性は今でも高いです。
そのため、医療事務の資格の中でも価値の高い資格で勤め先の病院から資格手当がでることもあるなどメリットがあります。
診療報酬請求事務能力認定試験ではレセプト作成を中心に業務を行います。
レセプト業務とは主にレセプト(診療報酬明細書)を作成し、医師に確認と承認を取ったのちに審査支払期間へ提出し審査が通ると診療報酬を得ることができます。
受験資格・試験内容
受験資格
診療報酬請求事務能力認定試験の受験資格はありません。
また、診療報酬請求事務能力認定試験は医科と歯科に分かれており、同時に2つの分野を受験することはできません。
試験内容
診療報酬請求事務能力認定試験の試験は、学科試験と実技試験の2種類あります。
試験時間は、学科試験、実技試験合わせて3時間なので、時間配分を考えて取り組む必要があります。3時間の間に休憩時間は設けられていないので集中力も必要です。
学科試験の試験範囲
- 医療保険制度等
- 公費負担医療制度
- 保険医療機関等
- 療養担当規則等
- 診療報酬等
- 薬価基準、材料価格基準
- 診療報酬請求事務
- 医療用語
- 医学の基礎知識
- 薬学の基礎知識
- 医療関係法規
- 介護保険制度
全20問で構成され、出題形式はマークシート方式です。
医療保険制度など、法令に関する問題が出題され試験範囲も広いので、満遍なく勉強をする必要があります。
学科と実技合わせて3時間の試験時間のうち1時間以内で回答することが理想とされています。
資料やテキストの持ち込みが許可されているので、暗記ベースの試験ではなく資料を参考にしながら効率よく回答することが必要です。
実技試験
レセプト作成(外来レセプト1題、入院レセプト1題)を筆記で行われる試験です。
実技試験も学科と同様テキストの持ち込みが許可されているので、作成マニュアルなどを見ながら実施することができます。
レセプト作成は、何度も練習問題を解くことで実力が身についていくので、多くの練習問題を解き、得点できるようにしましょう。
診療報酬請求事務能力認定試験の試験は、学科試験、実技試験に分かれてはいますが、3時間の中ですべてを解く必要があり、時間配分が非常に重要になる試験です。
部分合格などはないので、もし学科試験で不合格であった場合、実技試験も自動的に不合格となるので、どちらの分野もしっかりと勉強する必要があります。
試験の難易度・勉強時間
診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は、医科・歯科どちらも35%程度です。
合格率が低い理由としては受験資格がなく、誰でも受けることができる資格ということと、
試験の難易度の高さが挙げられます。
試験の合格点はすべて100点満点中で以下の通りです。
医科:学科試験 70点以上
:実技試験 80点以上
歯科:学科試験 80点以上
:実技試験 70点以上
合格するためには7~8割と高いボーダーをクリアしなければならないので、学科、実技ともに入念に勉強し、実力を身に付ける必要があります。
勉強時間
診療報酬請求事務能力認定試験の合格に必要な勉強時間は、400時間です。
医療事務の資格を取得するための学習時間は150時間~200時間が多く、他と比較すると倍近く勉強する必要がある資格です。
診療報酬請求事務能力認定試験は実務経験がある方や、働きながら取得を目指す方もいるので、1日2時間勉強すると、約半年ほどかかります。
半年間毎日2時間勉強を続けるモチベーションを維持することは非常に難しいと思うので、
効率的に学習したい方は通信講座がおすすめです。
カリキュラムに沿って合格に必要な勉強をでき、eラーニング学習がある講座を選ぶと、通勤時間に学習を進めることもできるので、効率的に学習し合格を目指したい方は通信講座を受講することをおすすめします。
どんな方が取得を目指すのか・メリットは?
取得を目指す方
診療報酬請求事務能力認定試験の受験年齢層は30代以下が約7割と若い方が多く受験しています。
そのうち実務経験がない方も約7割いるので、新たに勉強をして医療事務関連に就職しようと考えている方や実務経験を経て更に医療事務としての実力の向上を目指して受験する方が目指す資格です。
医療事務関連に有利に就職したい方や医療事務職としての実力を身に付けたい方にピッタリの資格です。
取得するメリット
取得のメリットは、病院などの医療機関において就職に有利な点です。
上記の通り、医療関係の専門的な知識が必要なので就職の際に診療報酬請求事務能力認定試験を取得していると医療知識や、レセプト作成のスキルなどがあると認められ、優遇されます。
また、診療報酬請求事務能力認定試験は医療事務の資格試験の中でも最難関といえる難易度を誇るため、パートタイムでは「時給+30円前後」、正社員では「月給+5000円~10,000円」程度、
時給や給料がアップするなど給料面での利点もあります。
まとめ
ここまで診療報酬請求事務能力認定試験の内容や、取得のメリットについて解説してきましたが、
医療事務の資格試験の中でも最高峰とも言える診療報酬請求事務能力認定試験。
これから医療事務関連の仕事に就こうと考えている方や、キャリアアップを目指している方は
ぜひ診療報酬請求事務能力認定試験の合格を目指しましょう。