ドクターズクラークについて仕事内容や年収、試験内容やの難易度、について解説します。

ドクターズクラークとは、もともと、医師が自身で行っていた医療行為以外の事務作業を医師の指示のもと医師に代わって事務業務を行う仕事です。
診察などの医療行為が医師の本来の業務ですが、ドクターズクラークがいなければ医師自身が診察をしながら、事務作業を行う必要があるので診察を行う時間が短くなってしまうというような事象が医療現場では起こっていました。
そこで、医師に代行して事務作業を行うスタッフを配置することにより、医師が医療行為に専念することで、医療の質を向上させるためにドクターズクラークが生まれました。

仕事内容

ドクターズクラークの具体的な業務は患者ごとに必要な検査や処方箋や、診察した内容の代行入力を行います。
その他にも医師の事務代行だけでなく、看護師やその他医療事務スタッフとの連携をとり、スムーズな診察を進められるようにコミュニケーションをとることも仕事の一つです。
そのため、診察内容について理解できるだけの医療知識はもちろん、PC操作やコミュニケーション能力も必要になります。
ここでは4つの具体例でドクターズクラークの仕事内容を理解しましょう。

医療文書の作成

ドクターズクラークは、診断書などの医療文書の作成をします。
診断書の他には、紹介状や処方箋、入院、退院の手続きや保険書類の作成などを行います。
文書作成は、正確性が必要になるので責任感が強い方に向いています。

カルテなどの代行記載・入力

医師の代理として紙カルテや電子カルテに記載や入力を行います。
また、検査結果に基づいた情報収集処方箋のオーダーも行います。

医療の質を高める業務

診察や治療に関するデータ収集・管理、病院内での統計業務などを行います。
医師がより質の良い医療サービスを提供できるようにサポートを行うのがドクターズクラークの仕事です。

行政への報告業務

行政への報告は、病院内で起きた医療ミスなどのインシデントレポートの作成を行います。
また、感染症に関する情報収集、分析なども行います。

ドクターズクラークになるには?

ドクターズクラークになるために、必要な資格はありません。
ですが、ドクターズクラークとして働くために必要な能力を測る試験があり、もしも未経験からドクターズクラークを目指したいという方は、その試験を受験して採用選考を有利に進めることをおすすめします。

ドクターズクラークに関する試験(医師事務作業補助技能認定試験)について

ドクターズクラークとして求められる能力を測る試験は「医師事務作業補助技能認定試験」です。
医師事務作業補助技能認定試験を受験するには受験資格が必要であり、その受験資格については以下の通りです。

受験資格

  1. 教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
  2. 医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
  3. 認定委員会が前各号と同等と認める者

※1~3のいずれか一つに該当する者(http://www.jme.or.jp/exam/dc/outline.html)引用

試験内容

学科

医師事務作業補助基礎知識/筆記(択一式)/25問/50分

学科試験では、医療事務作業補助に必要な以下のような基礎知識を問う問題が択一式で出題されます。

  • 医療管理法規
  • 医療保険制度
  • 医学一般
  • 薬学一般
  • 医療と診療録
  • 医師事務作業補助業務
  • 病院管理

学科試験は範囲が広いので、幅広く学習することが必要です。

実技

医療文書作成/筆記(記述式)/4問/60分

実技試験では、医療文書作成の問題が記述式で出題されます。
学科試験、実技試験ともに得点率70%以上で合格することができます。

試験の難易度・勉強法

医師事務作業補助技能認定試験の合格率は約60%です。
医師事務作業補助技能認定試験は受験資格があるので、それを考慮すると試験の難易度はやや高めだといえます。
試験合格に必要な学習時間は、約200時間と言われており、1日1時間半~2時間勉強すれば3か月で合格を目指すことができます。
また、医師事務作業補助技能認定試験は受験資格に定めがあるため、実務経験がない方や、認定委員会が定める学校で単位を取得していない方は、通信講座や通学などで単位を取得する必要があります。
通信講座は、自身の都合のいい時間に学習を進めることができる上に、もしも疑問が生じた場合にも講師に質問することができることや、添削指導などで直接講師からアドバイスをもらえるなどの学習サポートを受けることができるため、社会人として普段働いていてまとまった時間が取りづらい方や独学では不安な方にもおすすめの勉強方法です。

年収

ドクターズクラークの平均年収は150万円~300万円です。
ただし、この平均年収額はパート・アルバイト、非正規雇用の方を含んでおりボーナスの支給がないケースがあります。
資格を有している方で、正社員として雇用されている方はボーナスの支給を受けるケースが多いのでより年収が高くなることが想定されます。
ドクターズクラークとして働きたい方は、無資格で勤務できるとはいえ、資格を取得している給与の面でのメリットは大きいので取得することをおすすめします。

まとめ

これまでドクターズクラークの仕事内容や試験内容、難易度などについて解説してきましたが、医療文書作成など責任のある仕事を行い、資格を取得していると給与が高いなどのメリットがある資格です。
責任感のある仕事をしたい方や、ドクターズクラークとして資格を取得してキャリアアップしたい方におすすめの資格です。

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